REITを対象にしたファンド・オブ・ファンズとは?
ツイート主として、REITの投資法人によって発行された投資証券を、投資の対象としている投資信託が「REITを対象にしたファンド・オブ・ファンズ」です。ファンド・オブ・ファンズ(FOFs)という呼び名は、投資対象が様々なファンドであるというところから来ています。
投資信託は投信法に定められてスキームであるという点でREITと同様で、器として信託が利用されています。特定目的会社や合同会社、投資法人等と同じ位置付けで、信託銀行が受託者として存在しているというイメージになります。
委託者・受託者・受益者という3者で構成されるのが信託という仕組みですが、投資信託の場合には、信託銀行の運営についての指図は委託者としてのAMが行い、受益者たる投資家は運用によって生まれた分配金を受け取ります。
投資家は多くの場合、銀行や証券会社などの販売会社を介して委託者によって発行される受益証券を購入し、更には分配金を受け取り、場合によっては解約を行ったりします。この器にも、4つの役割があります。
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@小口化:投信法に定められた受益証券を委託者であるAMが発行することで投資家からの出資を受け入れ、受託者に当たる信託銀行へと信託します。AMは信託銀行への指示を行い、市場経由で投資法人の投資証券に投資するため、信託銀行の主たる信託財産は投資証券になります。
受益者に当たる投資家は受益証券(この場合は信託財産である投資証券の持分)を保有することになります。投資法人の保有する不動産の持分とも言えるのが投資証券ですから、このスキームを通じて投資家は間接的ではありますが、投資法人の保有している不動産の持分を保有するかのような効果を得ることができます。その持ち分に応じて、信託銀行は不動産の収益を投資家に分配するのです。
A二重課税の回避:法人格を有しないのが信託であり、投資信託の受託者についても法人税法において、法人税が課せられない旨が定められています。
B倒産隔離:信託法や信託業法で倒産隔離が確保されているのが信託です。
C借り入れ利用:借入を受託者が利用するケースはありません。個々の投資法人において借入が利用されるのは特に珍しいことではありません。
AM(投資信託委託会社)が受託者に対して指図を行うことによって運営がなされます。色々な不動産に投資している複数のREITから投資家は分配金を得ることができますので、安定した分配金となります。
しかし、投資対象である投資口の価格が市場で値動きするのがこの投資信託の受益証券の価格ですので、変動が起こりやすいとも言えます。つまりは、REITファンド・オブ・ファンズの投資家はいくつかの上場不動産賃貸特価会社の株式を持っているのであって、不動産持分を保有しているのではないというのが実態でしょう。
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