KK-TK・YK-TK・ダブルSPCの概要について

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KK-TKスキーム/YK-TKスキーム

 

匿名組合の営業者として合同会社ではなく株式会社を用いるのがKK-TKスキームで、GK-TKスキームと同様の仕組みになっています。合同会社ではなく有限会社を用いていたのが会社法が施行される前のことで、そうした仕組みはYK-TKスキームと呼ばれていました。

 

KK-TK・YK-TK・ダブルSPCの概要について

 

ちなみに現在でも、法律に基づく株式会社の特例として、従来からある有限会社がそのまま活用されています。このスキームにおける器の役割はGK-TKスキームの4つとほとんど同じですが、3の倒産隔離については、合同会社よりも株式会社の方が複雑な意思決定上の手当てが必要となり、さらには、会社更生法の適用が株式会社が倒産した場合にはあるため、このスキームをレンダーが好まないというデメリットも存在します。

 

こうしたこともあって、KK-TKスキームはあまり用いられていません。GK-TKスキームと器の運営については、ほぼ同様です。また、投資対象が不動産信託受益権に限られるという点でもGK-TKスキームと同じです。

 

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ダブルSPCスキーム

 

GKというSPCを2つ使用したスキームがこのダブルSPCスキームで、二層構造ファンド(二層型不動産ファンド)とも呼ばれています。予め一定の出資を投資家から受けることが決まっており、その出資金を時期を分けて用い、不動産信託受益権という投資対象を、その都度条件の最も優れた借入を利用しながら取得することが想定されるケースにこのスキームが用いられます。

 

この器には、4つの役割があります。@小口化:投資かそれぞれが匿名組合員となり、各投資家が親SPC(別名親ファンド)と匿名組合契約を結び、投資家はこの契約の内容に基づいて親SPCによる匿名組合事業へ出資を行い、出資持分を出資金額に応じて保有することとなります。

 

その次に、営業者たる個々の子SPC(子ファンドとも呼ばれる)と親SPCが匿名組合契約を結び、この契約に基づいて子SPCの匿名組合事業に親SPCが出資し、出資持分を出資金額に応じて保有することとなります。

 

 

以上が行われることで、親SPCを介して投資家は子SPCの保有している不動産の持分を保有しているかのような効果を得ることができます。子SPCの行った不動産事業の収益を親SPCが、それぞれの持分に応じて投資家に分配するわけです。

 

A二重課税の回避:親と子、2つのSPCを用いることによって二重課税を回避することができます。B倒産の隔離:2つのSPCとともに、一般社団法人等が合同会社の社員になることや事業制限が定款によってなされることで倒産隔離を図ることができます。C借入利用:子SPCの方で通常、最適な借り入れを個別に行います。

 

AMと呼ばれているのが、子SPCと呼ばれる不動産運用を行う会社ですが、親SPCの資金運用を行う会社はFM(ファンドマネージャー)と呼ばれています。このスキームでは子SPCであるGKは不動産信託受益権に投資対象を限定しますので、この点ではGK-TKスキームと同様です。




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