不動産ファンドの「デット」について

不動産ファンドの「デット」について

このエントリーをはてなブックマークに追加  

機関投資家資金は、不動産ファンドの「デット」に向かう投資家資金の大部分を占めています。

 

不動産ファンドの「デット」について

 

国内機関投資家資金

 

個人から預金という形で、調達した資金等を主として国債や貸し出しで投資しているのが銀行です。REITへのローンや私募ファンドのノンリコースローンも、この貸出しの中に含まれています。その他に、特定目的会社の特定社債券や私募ファンドへのノンリコースローンから組成されたCMBS、投資法人の投資法人債券等の債券へも投資が行われています。

 

場合によっては、特定社債券やCMBS、投資法人社債券等の債券への投資を、保険会社や年金基金が行っていることもあります。また、保険金の運用という長期的な性格を有する保険会社は、REITの投資法人へ長期支出を行うことがあります。

 

その他の資金

特定社債券やCMBS、投資法人社債券に対しては、海外の機関投資家からの資金や国内の事業会社の余剰資金が投資されることもあります。

 

スポンサーリンク

 

銀行に対するBIS規制での影響

 

銀行は、デット資金の主な貸し手となっています。BIS規制は銀行の貸し出し姿勢に大きな影響を与えています。銀行のバランスシート上では、貸出が資産で預金が負債です。預金者に対し、負債である預金を安全に返済することが銀行には求められ、BIS(各国の中央銀行間の調整を行う国際決済銀行)内のバーゼル銀行監督委員会によって、自己資本を一定程度積んでおくことが銀行には求められています。

 

新BIS規制とは、自己資本比率に対する最新の規制で、バーゼルUと呼ばれています。自己資本比率の規制は、金融危機を目の当たりにして今後はより厳しくなるのではないかと言われているため、この点には十分に留意しておく必要があります。

 

なぜなら、自己資本比率を高めるために貸し出しが抑制されると、不動産ファンドの「デット」へはお金が向かいにくくなるからです。この他に留意すべき点として、業種別の貸し出し割合が挙げられます。リスクを分散するために様々な業種に貸出しを行っているのが銀行で、リスク分散効果が薄れるため、特定の業種(例えば不動産業)に貸し出しを集中させるということはありません。




このエントリーをはてなブックマークに追加