不動産特定共同事業法のスキームについて

不動産特定共同事業法のスキームについて

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不動産特定共同事業法(1995年施行、以下では不特法)という法律に基づいているのが、不動産特定共同事業スキームです。不動産の小口化による投資商品の販売を行う事業に規制を設け、そうした商品への投資を行う投資家の保護を目的にしているのが同法です。

 

不動産特定共同事業法のスキームについて

 

複数のスキームが不特法によって定められていますが、その中でも最も普及しているTK(匿名組合)を利用したスキームについて以下で述べてみたいと思います。1小口化:一人一人の投資家が匿名組合員となり、営業者たる不動産会社とそれぞれの匿名組合員が匿名組合契約を結びます。

 

投資家はこの契約に基づいて、不動産会社によって行われる匿名組合事業に対して出資し、出資持分を出資金額に応じて保有することとなります。投資家はこれによって不動産の持分を保有しているかのような効果を得ることができます。

 

なぜなら、その持分に応じて、不動産会社が不動産事業の収益を投資家に分配するからです。2二重課税の回避:匿名組合を使うことによって二重課税を回避することができます。3倒産隔離:3つの代表的なスキームとは違って、器を利用することはなく、事業会社(不動産会社など)が直接不動産を保有して不動産事業を営むのが本スキームです。

 

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従って、当該不動産会社が倒産した場合には、それ相応の被害を被ります。不動産特定共同事業法では、不動産特定共同事業者を一定の人的要件や資本要件を満たす必要のある許可制とし、投資家の保護ができる仕組みにしています。4借入の利用:制度の上では、営業者自身の借り入れ利用が禁止されているわけではありませんが、通常では用いられません。

 

不動産の保有運営は器を用いることなく、不特法で認められている不動産会社自身(不動産特定共同事業者である)が行うこととなります。前述したように、この不動産会社は匿名組合の営業者であり、運用収益の中から不動産運用の対価として営業者報酬を得ることとなります。

 

不動産特定共同事業スキームの投資家となっているのは、主に個人投資家です。投資家の出資は優先出資として扱われ、劣後出資という形で営業者自身も出資を行うことで、投資家が出資した部分の価格や収益の下落リスクを軽減するスキーム(優先・劣後構造)を頻繁に目にします。




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